以前の当コラムで、南関東圏(埼玉・東京・神奈川・千葉)の戸建・住宅地価格の上昇に一服感が出てきていることをお伝えしました。ところが同じ国土交通省「不動産価格指数」で、マンション(区分所有)に絞って見ると、まったく異なる景色が広がっています。戸建・土地とマンションで、値動きに明確な温度差が出てきているのです。所有する不動産の種類によって今の位置づけが変わってくるため、最新データをもとに整理します。
1. マンション価格は依然として力強い上昇が継続
国土交通省の不動産価格指数によると、2025年12月時点のマンション(区分所有)指数は、東京都で234.8、南関東圏で219.8、全国で225.1となっています。前年同月比では、東京都+9.6%、南関東圏+8.0%、全国+8.4%と、いずれも8〜9%台という力強い伸びが続いています。2020年1月からの約6年間で見ても、東京都は年率+7.7%、南関東圏は年率+7.3%という高いペースで上昇し続けてきました。
東京都:+9.6%(指数234.8)/南関東圏(埼玉・東京・神奈川・千葉):+8.0%(指数219.8)/全国:+8.4%(指数225.1)
2. 戸建・住宅地との明確な違い
一方、同じ期間の戸建住宅・住宅地の指数は、マンションとは対照的な動きを見せています。南関東圏の戸建住宅指数は前年同月比-0.5%、住宅地指数は-2.3%といずれもマイナスに転じました。東京都の戸建住宅指数も-1.3%です(住宅地指数は+0.7%とわずかにプラスを維持)。全国で見ると戸建+2.9%、住宅地+1.8%とプラスは維持しているものの、マンションの伸び率には及びません。
| エリア | マンション(前年比) | 戸建住宅(前年比) | 住宅地(前年比) |
|---|---|---|---|
| 南関東圏 | +8.0% | -0.5% | -2.3% |
| 東京都 | +9.6% | -1.3% | +0.7% |
| 全国 | +8.4% | +2.9% | +1.8% |
同じ南関東圏でも、マンションは+8.0%の上昇、戸建は-0.5%、住宅地は-2.3%と、資産クラスによってこれだけの差が生まれています。「不動産価格は上がっている」という報道を見て所有物件全般を楽観視するのは、実態と合わない場合があります。
3. なぜこの差が生まれているのか
断定はできませんが、都心へのアクセスや利便性を重視する層にはマンションへの需要が根強く残っている一方、戸建・土地は資材費高騰による新築価格の高止まりや、築年数による選別が進んでいる可能性が考えられます。以前の当コラムで取り上げた新築一戸建て価格の高騰(埼玉県でも前年比+10%超)とあわせて見ると、新築の値上がりが中古の戸建・土地の需要にも影響を及ぼしている構図がうかがえます。
4. 所有物件の種類によって、今の位置づけは異なる
今回のデータが示す最大のポイントは、「不動産市場は一枚岩ではない」ということです。所有する不動産の種類によって、今どのフェーズにあるかは大きく異なります。
- マンションをお持ちの方——歴史的な高値圏にある可能性があります。今後も上昇が続く保証はなく、高値のうちに資産価値を確認しておく意義があります。
- 戸建・土地をお持ちの方——上昇の勢いに変化が出てきている局面です。人口減少という中長期的な構造要因(詳しくは関連コラムをご覧ください)も踏まえると、様子を見すぎることにはリスクもあります。
5. 所有物件をお持ちの方が今できること
マンション・戸建・土地のいずれであっても、今の資産価値を正確に把握しておくことが、売却・活用・保有のいずれを選ぶ場合にも判断の土台になります。実家・相続した家・住み替えを検討している自宅など、所有する不動産のことが気になったら、まずは現状把握からご相談ください。
「今の価値だけ知っておきたい」という段階のご相談も歓迎です。片付け不要・相続登記未了OK。現状を把握したうえで、売却・活用・保有をゆっくりご判断ください。
まとめ
国土交通省「不動産価格指数」で見ると、マンション価格は南関東圏・東京都ともに前年比8〜9%台の力強い上昇を続けている一方、戸建・住宅地は南関東圏を中心に伸びが鈍化・マイナスに転じています。所有する不動産の種類によって、今置かれている状況はまったく異なります。所有物件のことが気になったら、まずは現状把握からお気軽にご相談ください。
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出典:国土交通省「不動産価格指数(住宅)」(令和7年12月分・季節調整値)