「埼玉県は空き家率が全国で一番低いグループらしいから、うちは大丈夫」——そう思っていませんか。たしかに埼玉県の空き家率は全国的に見て低い水準にあります。しかしその内訳を詳しく見ると、放置されがちな「利用目的のない空き家」はむしろ増加傾向にあることが、埼玉県自身の公表データからわかっています。地域全体の数字が良くても、自分の所有する物件が「空き家予備軍」になっていないかは、まったく別の問題です。この記事では、埼玉県・国のデータをもとに現状を整理し、今のうちに動くことでなぜ焦らず売却を進められるのかを解説します。

1. 埼玉県の空き家率は全国47位——でも中身に注意

総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、埼玉県の住宅総数約356万戸のうち、空き家は約33.0万戸、空き家率は9.29%です。これは全国平均13.84%を大きく下回り、全国47都道府県中47位、つまり全国でもっとも空き家率が低い水準にあります。平成30年(2018年)の前回調査と比べても、空き家数は約1.6万戸、空き家率は0.9ポイント、それぞれ減少しました。

ここまで見ると「埼玉は空き家問題と無縁」という印象を持つかもしれません。しかし埼玉県自身が公表する資料には、見過ごせない一文があります。「利用目的のない空き家(=賃貸にも売却にも出されておらず、別荘等の二次利用もされていない、実質的に放置された空き家)」に限ると、戸数は約13.6万戸、率は3.8%で、いずれも前回調査より増加しているのです。

📊 埼玉県の空き家データ(令和5年・総務省統計)

空き家総数:約33.0万戸/空き家率:9.29%(全国47位=全国最低水準)/前回比:戸数▲1.6万戸・率▲0.9pt
利用目的のない空き家:約13.6万戸/率:3.8%/前回比:戸数+1.2万戸・率+0.1pt(増加)

つまり「空き家全体は減っているのに、放置型の空き家は増えている」というねじれが起きています。埼玉県は東京近郊のベッドタウンとして住宅ストックが多く、空き家の多くはアパートの空室や売り出し中の戸建てが占めるため、全体の空き家率は低く見えます。その裏側で、相続などにより管理者が実質的にいなくなった住宅が静かに増えているのが実情です。

2. 春日部市の状況——県内でも低い水準だが、ゼロではない

不動産メディアの分析(ダイヤモンド不動産研究所、令和5年住宅・土地統計調査ベース)によると、春日部市の空き家率は6.28%で、県内59市区町村の中でもっとも低い部類に入ります。空き家数は6,660戸、そのうち賃貸・売却用や二次的住宅を除いた「放置空き家」は3,470戸、率にして3.27%です。

県内で見てもかなり良好な数字ですが、それでも3,470戸という実数の放置空き家が存在する事実は変わりません。ちなみに県内でもっとも空き家率が高いのは秩父市(20.24%)、もっとも放置空き家率が高いのは川島町(12.14%)で、地域によって差は大きいものの、「春日部市だから大丈夫」と言い切れるものではないのです。

3. なぜ「地域の数字」と「自分の物件」は別問題なのか

空き家率はあくまで地域全体の平均値です。個々の家が今後空き家化するかどうかは、次のような個別の事情に左右されます。

  • 高齢の親のみが住んでいる持ち家で、将来同居・住み替えの予定がない
  • 相続予定の実家があるが、相続人は既に別の場所に自宅を持っている
  • 所有者が遠方に住んでおり、定期的な管理・訪問が難しい
  • 建物の老朽化が進んでいるが、修繕・解体の判断を先送りしている

こうした条件が重なる住宅は、地域全体の統計とは関係なく、将来「空き家予備軍」となる可能性が高いといえます。統計上の空き家率が低い地域であっても、こうした個別事情を抱える家は当然存在します。

4. 空き家予備軍にならないための3つの選択肢

所有する不動産が将来使う予定のないものであれば、主に3つの対策が考えられます。

選択肢向いているケース注意点
売却する今後使う予定がなく、解体・賃貸にも魅力を感じない仲介は数か月〜、買取はスピード重視だが価格は下がりやすい
解体する老朽化が進み倒壊リスクが高い解体費用がかかる。更地後の活用計画も必要
賃貸活用する立地が良く、収益化の見込みがある管理の手間・初期投資が発生する

埼玉県も「予防・除却・流通活用」の三本柱で空き家対策を進めており、司法書士会・行政書士会と連携した相続登記の啓発、空き家コーディネーターの配置、空き家バンクの運営などを行っています。行政側も「早めの対応」を後押ししている状況です。

5. 「今」動くことで焦らず売却を進められる理由

空き家予備軍の段階、あるいは空き家になった直後は、まだ選択肢が豊富に残っています。しかし放置する時間が長くなるほど、次のような形で選べる道が狭くなっていきます。

⚠️ 放置するほど不利になる3つの理由

①建物の老朽化が進み、修繕・解体の費用がふくらむ ②「管理不全空家」に指定されると固定資産税の軽減特例が解除され、税額が最大6倍になる可能性がある ③資産価値が下がり、価格交渉でも不利になりやすい

逆に、まだ住んでいる、あるいは空き家化した直後のタイミングで動き始めれば、売却・解体・賃貸活用のどれが自分に合っているかをじっくり比較検討できます。「とりあえず査定だけ受けてみる」という段階でも構いません。現状の資産価値を知っておくこと自体が、将来慌てて安値で手放すことを防ぐ、もっとも確実な備えになります。

6. 埼玉県で空き家・実家のご相談ならKNホーム

株式会社KNホームは、埼玉県春日部市を拠点に、埼玉県全域・東京都・千葉県・茨城県・栃木県で空き家・相続不動産・老朽化物件の売却をサポートしています。売買実績は500件以上。まだ空き家になっていない段階、相続前の実家、遠方で管理が難しい物件など、どの段階のご相談でも歓迎です。

💡 査定後の売却強制は一切ありません

「空き家予備軍かもしれない」という段階でのご相談も歓迎です。無料査定の結果を見てから、売却・活用・保有をゆっくりご判断ください。

まとめ

埼玉県の空き家率は全国的に見て低く、一見安心できる数字に見えます。しかしその裏側で「利用目的のない空き家」は増加傾向にあり、地域の平均と個々の物件の将来リスクは別問題です。放置すればするほど選べる選択肢は狭くなりますが、早く動けば焦らず、自分に合った方法を選べます。「うちはまだ空き家じゃないから」と先送りにせず、まずは現状を把握することから始めてみてください。

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出典:埼玉県「県内空き家の現状」(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」を基に作成)、ダイヤモンド不動産研究所「埼玉県の空き家率は9.29%で全国47位! ランキング、長期推移、活用事例などを解説」