「東京の家なら、いつでも高く売れる」——そう思っていませんか。実は今、東京都内の住宅の約1割が空き家となり、さらに将来空き家になる可能性が高い「空き家予備軍」が約100万戸あると東京都自身が公表しています。人口が流入傾向にある東京で、なぜ空き家が社会問題になっているのか。実家をお持ちの方が知っておくべき現状とリスク、そして今からできる備えを解説します。
1. 東京都の空き家の現状——「率は低いが実数は全国最多」
総務省の令和5年(2023年)住宅・土地統計調査によると、東京都の空き家数は約89万6500戸。空き家率は10.9%と全国平均(13.8%)より低く47都道府県中44位ですが、実数では全国最多です。都内の住宅のおよそ10戸に1戸が空き家という計算になります。
さらに注目すべきは、東京都が「空き家予備軍」と位置づける住宅の存在です。65歳以上の世帯員のみが住む持ち家は都内に約100万戸あり、居住者の高齢化に伴って今後空き家化するおそれがあるとされています。顕在化した空き家約90万戸と合わせると、都内の住宅ストックの2割近くが空き家またはその入り口に立っていることになります。
空き家数:約89.7万戸(全国最多)/空き家率:10.9%(全国44位)/うち賃貸用:約62.9万戸(約7割)/管理不全リスクの高い「その他空き家」:約21.4万戸
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2. なぜ人口が流入傾向にある東京で空き家が増えるのか
相続の集中と実家のミスマッチ
団塊世代が後期高齢者となり、介護施設への入所や死去に伴って実家が空き家化するケースが増えています。相続する側の団塊ジュニア世代はすでに自分の住まいを持っていることが多く、郊外の築古一戸建てを相続しても住み替える動機がなく、活用されないまま放置される——これが典型的なパターンです。
賃貸住宅の供給過剰
東京都の空き家の約7割は賃貸用です。都内は住宅着工に占める賃貸住宅の比率が全国的に見ても突出して高い一方、地価・建築費の高騰で家賃と需要のバランスが崩れ、入居者がつかないまま空室化する物件も増えています。東京の空き家問題は「相続した実家の放置」と「賃貸の供給過多」という二つの構造が重なっているのが特徴です。
マンションの空き住戸という見えにくい問題
全国では空き家の7割が一戸建てであるのに対し、東京都の「その他空き家」は6割強を共同住宅(マンション等)が占めます。マンションの空き住戸は外から分かりにくく、区分所有者間の合意形成も難しいため、一戸建て以上に対応が遅れやすいと指摘されています。
3. 空き家を放置する4つのリスク
① 固定資産税が最大6倍になる可能性
2023年12月に施行された改正空家対策特別措置法では、倒壊寸前の「特定空家」の手前の段階である「管理不全空家」という区分が新設されました。市区町村から勧告を受けると、住宅用地の固定資産税軽減特例(小規模住宅用地で課税標準6分の1)が解除され、税額が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。「まだ壊れていないから大丈夫」では済まなくなりました。
窓ガラスの破損や雑草の繁茂、屋根・外壁の傷みなど、管理が行き届いていない状態が続くと勧告の対象になり得ます。遠方に住んでいて定期的な管理ができない場合は特に注意が必要です。
② 相続登記の義務化——放置すると過料の対象に
2024年4月から相続登記が義務化され、不動産の取得を知った日から3年以内に登記申請をしなければ、10万円以下の過料の対象となります。過去の相続分も対象です。「名義が祖父母のまま」といった物件は、売却しようとした時に手続きが複雑化しているケースが多く、早めの対応が重要です。
③ 建物の劣化と資産価値の下落
人が住まない家は傷むのが早く、雨漏りやシロアリ被害が進むと売却価格は大きく下がります。「東京・首都圏の家だからいつか高く売れる」という前提は、空き家が増え続ける今、確実とは言えなくなっています。実際、行政が税金を投じて空き家の流通促進に乗り出していること自体が、市場任せでは動かない物件が増えている証拠です。
④ 近隣トラブル・防災上の責任
倒壊・屋根材の飛散・不法侵入・火災など、空き家が原因で近隣に損害を与えた場合、所有者が責任を問われる可能性があります。特に木造住宅密集地域では、放置空き家は地震時の延焼リスクを高める要因として行政の監視も強まっています。
4. 今からできる3つの備え
① 親が健在なうちに話し合う
実家が空き家になってから慌てるのではなく、親御さんが健在なうちに「実家をどうするか」を家族で話し合っておくことが、最も効果的な備えです。誰が相続するのか、住む予定はあるのか、なければどう処分・活用するのか。この整理ができているかどうかで、その後の負担が大きく変わります。
② 実家の資産価値を把握しておく
話し合いの前提として「実家がいくらで売れるのか」を知っておくことは重要です。査定は無料で受けられ、査定したからといって売却する必要はありません。現状を数字で把握しておくだけでも、相続や住み替えの判断材料になります。
③ 空き家になったら早めに動く
既に空き家になっている場合は、時間の経過とともに建物劣化・税負担・管理の手間が積み重なります。「片付けが大変だから」「登記が済んでいないから」と先送りしている方も多いですが、実はどちらも売却を諦める理由にはなりません。
5. 片付け不要・登記未了OK——KNホームがお手伝いできること
株式会社KNホームは、埼玉県春日部市を拠点に、埼玉県全域・東京都・千葉県・茨城県・栃木県の空き家・相続不動産の売却をサポートしています。売買実績は500件以上。特に以下のようなケースを得意としています。
- 家財道具・荷物が残ったままの空き家(現況のまま買取、片付け不要)
- 相続登記が済んでいない物件(提携司法書士と連携してサポート)
- 遠方にお住まいで現地に行けない方(現地確認は弊社が実施)
- 再建築不可・農地・区画整理地内など売りにくい物件
- 「まだ売るか決めていないが、価格だけ知りたい」という段階のご相談
「実家の価値を把握しておきたい」という段階のご相談も歓迎です。無料査定の結果を見てから、売却・活用・保有をゆっくりご判断ください。
まとめ
東京都の空き家は約90万戸、予備軍を含めれば約190万戸。もはや「地方の実家の話」ではなく、首都圏に住む現役世代自身の問題です。放置すれば固定資産税の増額・過料・資産価値の下落といったリスクが積み重なる一方、早めに動けば選択肢は多く残されています。
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出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」、東京都住宅政策本部資料、国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法(2023年改正)」関連資料、法務省「相続登記の申請義務化」関連資料