2026年7月9日、大阪府寝屋川市議会は「空き家流通促進税」条例案を全会一致で可決しました。全国初となる市内全域を対象にした「空き家税」が正式に成立した形です。固定資産税とは別に、放置された空き家に対して独自の税を課す仕組みです。
寝屋川市は大阪府の制度であり、直接埼玉県・春日部市に適用されるものではありません。しかし、全国の自治体が注目している先行事例として、今後の波及可能性を考える上で重要な動きです。空き家を所有している方はぜひ把握しておいてください。
「空き家流通促進税」とはどんな制度か
制度の概要
2026年7月9日に可決された「空き家流通促進税」は、市内にあり人が住む予定のない空き家に対して、固定資産税とは別に市独自の税を課す制度です。
市内全域を課税対象とする点が特徴で、これは全国初の取り組みです。京都市が先行して「非居住住宅利活用促進税」を導入しましたが、あちらは市街化区域に限定されており、対象が広い点で寝屋川市の制度は一歩踏み込んでいます。
💡 ポイント:罰金的な意味合いよりも「放置コストを可視化して行動変容を促す」という位置付けが強調されています。空き家を売却・賃貸に動かすことを後押しするための制度です。
対象となる空き家の規模
寝屋川市には市内住宅の13%以上にあたる約1万5,000戸の空き家が存在しています。このうち課税対象となる可能性があるのは、賃貸や売却などの予定がない約6,400戸とされています。
「すでに売却・賃貸に向けて動いている」「解体予定がある」などの場合は課税対象から外れる可能性があり、免除条件の詳細は今後の条例確定を待つ必要があります。
課税対象となる「空き家」の定義
現時点の報道をもとにすると、課税対象の空き家は以下の条件を満たすものとみられます。
- 市内に所在する住宅用の建物・土地
- 現在人が居住しておらず、今後居住の予定がないもの
- 賃貸・売却・解体などの具体的な計画がないもの
逆に言えば、売却・賃貸に向けて不動産会社と媒介契約を結ぶ・解体工事を手配するなどの行動を起こすことが免除の鍵になる可能性があります。
📌 確定情報(2026年7月9日条例可決):税額は「家屋割(家屋の固定資産税額×35%)」と「家屋立地割(土地の固定資産税額・敷地面積から算出×35%)」を合算して計算されます。
課税が免除される主な条件
- 転勤など数年後に戻る予定がある場合
- 介護施設への入所により空き家になった場合
- 1年以内に賃貸・売却の募集を開始する場合
- 1年以内に業務用途で使用予定がある場合
- 所有者や居住者の死亡により空き家になった場合
- 市長が公益上必要と認める場合
京都市の制度との違い
空き家への課税は寝屋川市が初めてではありません。京都市がすでに「非居住住宅利活用促進税」を制度化しています。両者を比較してみましょう。
| 項目 | 寝屋川市(空き家流通促進税) | 京都市(非居住住宅利活用促進税) |
|---|---|---|
| 対象エリア | 市内全域(全国初) | 市街化区域のみ |
| 対象物件 | 流通していない空き家に絞る | 別荘・セカンドハウスなど居住実態のない住宅 |
| 主な目的 | 空き家の売却・賃貸への流通促進 | 非居住住宅の利活用促進 |
| 導入予定 | 早ければ2029年度〜 | 2030年度〜 |
| 現在の状況 | 2026年7月9日 条例可決・成立 | 制度化済み・準備段階 |
寝屋川市の制度は「別荘や高級物件」ではなく、動いていない普通の空き家に絞って課税する点が特徴的です。空き家問題を抱える地方都市にとって、より参考にしやすいモデルといえます。
導入スケジュール
- 2026年7月9日市議会にて条例案を全会一致で可決・成立
- 2026〜2028年総務省の同意取得・対象物件の調査・システム整備
- 2029年度〜課税開始予定
春日部市・埼玉県への波及可能性
寝屋川市の動きは大阪府の一事例ですが、全国の自治体が注目しているという点で非常に重要です。空き家問題は寝屋川市だけの話ではなく、春日部市をはじめ埼玉県各地でも深刻化しています。
なぜ他自治体への波及が考えられるのか
- 2023年の空き家特措法改正により、自治体の空き家対策強化が国から求められている
- 固定資産税の優遇(住宅用地特例)が空き家放置を助長するという指摘が根強い
- 寝屋川市のモデルが成功すれば、同様の条例を検討する自治体が増える可能性がある
- 埼玉県は空き家率が全国平均を超えており、対策強化の気運が高まっている
💡 考察:2029年以降、寝屋川市の制度が機能し始めると「成功事例」として全国に広まる可能性があります。春日部市を含む埼玉県の自治体が同様の条例を検討するまでに、早ければ2030年代前半というシナリオも否定できません。
空き家オーナーが今すべきこと
寝屋川市の動きは「他人事」ではありません。空き家の放置に対するコストが、税制面でも今後増していく可能性があります。今のうちに動いておくことが、長期的には最も賢明な選択です。
選択肢を整理する
- 売却する:最もシンプルな解決策。KNホームでは現況のまま買取可能
- 賃貸に出す:収益化できるが、管理の手間・空室リスクあり
- 解体して土地を活用:建物の維持費がなくなるが、解体費用が必要
- 相続放棄・土地放棄制度を活用:条件が厳しく、すべての人に使えるわけではない
まずは現在の空き家がどんな状態か、どの選択肢が現実的かを専門家に相談することが第一歩です。KNホームでは相続未登記・残置物あり・遠方在住など複雑な案件にも対応しています。
まとめ
寝屋川市の「空き家流通促進税」は、全国初の市内全域を対象にした空き家課税の取り組みです。罰則的な税というより、放置コストを見える化して売却・賃貸への行動を後押しする制度として設計されています。
埼玉県・春日部市への直接適用はありませんが、全国的な空き家対策の強化という流れは確実に加速しています。「いつか何とかしよう」と考えている空き家がある方は、ぜひ今のうちに一度ご相談ください。
※本記事は2026年7月9日の条例可決情報をもとに作成しています。総務省の同意取得や施行細則の詳細は今後公表される予定です。最新情報は寝屋川市の公式発表をご確認ください。