2026年1月22日、最高裁判所第一小法廷は、分譲マンションの共用部分の不具合によって専有部分に漏水被害が生じた場合、管理組合が損害賠償責任を負うとする判断を初めて示しました。裁判官5人全員一致による判断です。マンションの売却を検討している方にとっても、この判決を踏まえた確認事項を押さえておくことが重要です。
1. 判決の内容——管理組合は民法上の「占有者」
この判決は、築年数の経過した分譲マンションで外壁の亀裂などから部屋に水が漏れ、被害を受けた区分所有者が管理組合などに損害賠償を求めた訴訟に関するものです。最高裁は、管理組合が区分所有法上、共用部分の管理内容を集会で決定する立場にあり、管理費を財源として損害を賠償することが区分所有者の通常の意思に沿うとして、管理組合が民法上の「占有者」に当たると判断しました。これにより、共用部分の管理の瑕疵による損害については、まず管理組合が賠償責任を負うことが明確になりました。
2. 売却前に確認しておきたい3つのポイント
この判決を踏まえ、マンションを売却する際は、次のような点を確認し、買主に説明できるようにしておくと安心材料になります。
- 建物の築年数と修繕状況——大規模修繕工事の実施履歴、長期修繕計画の内容、外壁・屋上・配管などの共用部分の状態
- 管理組合の財務状況——修繕積立金の残高、管理費の滞納状況、今後予定されている大規模修繕の費用見積もり
- 施設賠償責任保険の加入状況——火災保険の特約として付帯できる保険で、賠償責任を負った場合に保険金額を上限にカバーできる
国土交通省の「マンション総合調査」(2023年度)によると、施設賠償責任保険の加入率は42.6%にとどまっています。つまり、半数以上のマンションでは、共用部の不具合による賠償責任が発生しても、保険でカバーされない可能性があるということです。売却前に加入状況を確認しておくことをおすすめします。
3. 築年数が古いマンションほど確認が重要に
国土交通省によると、築40年以上のマンションは2024年末で約148万戸にのぼり、今後20年ほどで大きく増加する見通しが示されています。築年数が経過するほど、外壁や配管などの共用部分の劣化が進み、漏水などのトラブルが発生しやすくなります。築年数が古いマンションを売却する場合ほど、修繕履歴や保険加入状況を整理し、買主に正確に伝えることが重要になります。
まとめ
2026年1月の最高裁判決により、マンション共用部の管理に対する管理組合の責任がより明確になりました。売却を検討する際は、修繕履歴、管理組合の財務状況、施設賠償責任保険の加入状況を確認し、買主に正確に伝えることが、安心して取引を進めるためのポイントとなります。
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よくある質問
※最高裁判決は2026年1月22日に言い渡されたものです(各種報道機関の報道内容に基づく)。施設賠償責任保険の加入率は国土交通省「マンション総合調査」(2023年度)によります。個別の法的判断については弁護士など専門家にご確認ください。本記事は情報提供を目的とした一般的な内容です。