政府の地震調査研究推進本部は、南海トラフ巨大地震について今後30年以内にマグニチュード8〜9クラスの発生確率を70〜80%程度、首都直下地震(M7クラス)についても今後30年以内に70%程度と評価しています。こうした大規模地震のリスクが高まる中、管理が行き届かない空き家をどうするか、改めて考える所有者が増えています。

1. 管理不全の空き家が抱える耐震・防災上のリスク

人が住んでいない空き家は、換気不足による木材の劣化や、雨漏り・シロアリ被害の発見の遅れなど、経年劣化が進みやすい傾向があります。特に1981年5月以前の「旧耐震基準」で建てられた住宅は、大規模地震で倒壊するリスクが相対的に高いとされています。管理が行き届かない空き家が地震で倒壊すれば、隣家や通行人への被害につながる可能性もあり、所有者が損害賠償責任を問われるケースも想定されます。

📌 特定空家等に指定されると税負担が増える可能性も

「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、倒壊の危険性が高いなどの理由で「特定空家等」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例(最大1/6減額)が解除され、税負担が増える場合があります。管理不全の空き家を放置することは、防災面だけでなく税務面でもリスクを伴います。

2. 耐震診断・改修という選択肢の負担

耐震性に不安がある空き家については、耐震診断や耐震改修工事という選択肢もあります。多くの自治体で耐震診断・改修の補助金制度が用意されていますが、それでも数十万円〜百万円単位の自己負担が発生することが一般的です。誰も住んでいない、あるいは将来的に住む予定のない空き家に対して、この負担をかけるかどうかは慎重な判断が必要です。

3. 売却によるリスクの整理という選択

耐震改修の負担や、地震発生時の賠償責任リスクを考えたとき、管理を続けるよりも売却によって早めに整理するという選択をする所有者が増えています。売却すれば、耐震性の判断や管理責任は新しい所有者に移り、固定資産税や火災保険料などの継続的な負担からも解放されます。老朽化が進んでいたり、再建築不可の物件であったりする場合でも、専門の買取業者であれば現況のまま買い取れるケースがあります。

⚠️ 「そのうち直す」が最大のリスクに

大規模地震はいつ発生するか予測できません。「いずれ耐震改修するつもり」「そのうち売却するつもり」と先延ばしにしている間にも、管理不全による倒壊リスクや損害賠償責任のリスクは続きます。早めに現状を整理し、売却を含めた選択肢を検討することをおすすめします。

まとめ

南海トラフ巨大地震・首都直下地震のリスクが高い水準で想定される中、管理が行き届かない空き家を放置することは、防災面・税務面の両方でリスクを伴います。耐震改修の負担と売却によるリスク整理、どちらが自分たちの状況に合っているか、早めに検討することが大切です。

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よくある質問

Q南海トラフ地震・首都直下地震はどのくらいの確率で発生するとされていますか?
A政府の地震調査研究推進本部の評価では、南海トラフ巨大地震は今後30年以内にM8〜9クラスが発生する確率が70〜80%程度、首都直下地震(M7クラス)は今後30年以内に70%程度とされています。いずれも高い確率で発生が想定されており、住宅の耐震性や管理状態が被害の大きさを左右する要因の一つになります。
Q管理していない空き家が地震で倒壊すると、所有者の責任は問われますか?
A空き家が倒壊して隣家や通行人に被害を与えた場合、管理不全が認められれば所有者が損害賠償責任を問われる可能性があります。また、老朽化した空き家は「特定空家等」に指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除され税負担が増えることもあります。管理の負担やリスクを踏まえ、売却による整理を検討する所有者が増えています。

※地震発生確率は地震調査研究推進本部の長期評価に基づく一般的な情報です。個別の耐震診断・法的責任については専門家にご確認ください。本記事は情報提供を目的とした一般的な内容です。